たまらん中古車
第9回「今や数少ない国産クーペになってしまったこの車!」



今回紹介するのは、自分、先週まで乗っていた車です。日産・スカイラインクーペです。短い間ではありましたが存分に楽しませてもらいました!
クーペって皆さん分かりますか?シートが4つあり、ドアが2つの車のことです。後ろの席に乗るには、前のシートを倒さないと乗れないというアレです。最近あまり見ないですよね。
今、日本車でクーペというタイプの車は、このスカイラインクーペの他、GT-Rとレクサスの430SC(旧・ソアラ)くらいしか無いんです。フェアレディZやロードスター、コペンなんかは2ドアですが、シートもフロントの2つだけなのでクーペではなく2シーターと呼んでます。
さて、そんなスカイラインクーペですが、車としては最高に面白く、そして渋すぎるイメージの車だと思います。かつ、どこかバカっぽさもあります。




平成15年式日産 スカイラインクーペ350GT プレミアム
日産スカイラインクーペ
日産スカイラインクーペ




何となく見た事ありますかねこの形?スカイラインと言えばその歴史を語るだけで何時間もかかるくらいの系譜なのですが、名車と言われるR32 GT-RからR34までの系譜から、パサっと違う方向に向いてデビューしたのがV35スカイライン(セダン)です。スカイラインと言えば「走り屋」御用達のスポーツカーのイメージだったのに、V35は伝統の丸目4灯のテールランプもなく、何だか凡庸なセダンになってしまったことに、スカイラインにスポーツを求める層はひどくがっかりしたと言います。ただ、その頃カルロス・ゴーンは「GT-Rは、GT-Rという独立した車種として、必ずリリースする。その時を待て」と言いました。2002年にV35スカイラインが出て、2007年にようやくR35 GT-Rが出るまで、ファンはひたすら待ちました。




テールランプはLEDで丸目復活
テールランプはLEDで丸目復活




このV35スカイラインセダン、「フーガとどこが違うの?」という戸惑いの声の中、リリースから1年経って、日産は動いてきました。待望(?)のクーペモデルの登場。その名も「スカイライン・クーペ」。
型番も「CPV35」となり、V35とは違います。エクステリアこそ同一の意匠でまとめようとしていますが、フロントもサイドもリアも丸っきり別物に仕立て上げてられてます。まず、横幅が広がり(1815mm)、ルーフが低くなってます。そのプロポーションはかなりZ33フェアレディZに近いものとなっています。
フェアレディZは2シーターですから、何とかして3人か4人乗れないの?という微妙な要望に応えたのが、このスカイラインクーペと言えるでしょう。エンジンはZ33フェアレディZと同様、VQ35DEを搭載。3.5リッターのV6、NAです。他、フェアレディZと共通のパーツが多い車となっています。




バランスのいいサイドビュー
バランスのいいサイドビュー




で、そんなにスカイラインにスポーティさとクーペを求めてるんだったら、さぞかし売れたの?と思いたいところですが、これが日本では全く売れませんでした!あらま!
まずボディがデカすぎる。スポーツカーにしてはちょっと重い。(そもそもサーキットで走りたいヤツはフェアレディZ買うよな?)今まで見てきたR32〜R34なGT-Rという雰囲気からは遠い。(ターボじゃないし、3.5Lもあるし)
このカタチ、とてもグラマラスだと思うのですが、やや車両価格が高いこれを買うのは勇気がいったのだと思います。今更クーペなんて流行らない!全てにおいて「ハズシ」た車となってしまったわけです。買う理由が見つからない!というわけですな。




デカいのは正義なんだぜ!
デカいのは正義なんだぜ!




しかし!スカイラインはこれまで日本国内でのみ販売されてきた車種だったのですが、この代から北米にも輸出を始めました。北米では、トヨタでいう「レクサス」に相当する、「インフィニティ」という日産のプレミアムブランドがあるのですが(一時期日本でもバブル期にインフィニティを導入していた事あり。「Q45」という高級車)、その中の1車種「インフィニティ G35」として販売したのです。するとこれで大当たり!アメリカという場所、アメリカ人の好みにバッチリと合ったみたいで、日本では鳴かず飛ばずだったのにアメリカでは10万台のヒットを飛ばしたというではないですか!?
アメリカにはまっすぐで広い道ばっかりで、駐車場も適当に芝生の上に停めることが多いので、おおらかな運転をおおらかな気分で行うアメリカン・ガイを満足させるためにおおらかな設計となっている車、それがアメ車なのですが、このスカイラインクーペもといインフィニティG35という車、アメ車のおおらかさと日本車の品質の両方を兼ね備えた、レアな車だったのですねぇ。
アメ車のクーペといえば「マッスルカー」と呼ばれるフォード・マスタング、シボレー・カマロ、ダッジ・チャレンジャーが代表格です。どれもデカいクーペで、ズ太いエンジン音を発し、みんなこれに乗って肉食いに行くわけですが、そこに日本から送り込まれた刺客がこのスカイラインクーペだったわけです!!




乗るとどうなの?
乗るとどうなの?




でかいボディの横に回り込み、重くてデカいドアを開け、バケットシートに座るとこれが狭い!スポーツカー特有の囲まれ感・凝縮感があります。Z程では無いにせよ着座位置も低く、長いフロントノーズの先が見えないので、運転席からだと実際よりもボディが大きく感じられます。
エンジンをかけると、3.5L特有の低いエンジン音が「ドロロロロ」と車内に響き渡り、何かを感じさせます(笑)。

僕が乗っていたのはMTだったのですが、このスカイラインクーペはATの方が中古のタマ数は多いです。ゆったり乗るのであればATの方が良いでしょう。僕は色々遊びたかったのでMTにしたのですが、Z33と同様、この世代のMTは入りが渋いとのことで、確かに1速1速、エイ!って感じで入れてました。特に3速までは重かったです。Z33はスポーツカーなのでそれでいいのですが、スカイラインクーペはもうちょっとラグジュアリー方面な乗り方がちょうどいいのかも知れません。
走り出すと低速のトルクが豊富で、加速が遅いなんてことは微塵も感じません。踏んだら踏んだだけ加速するのでなかなか気持ち良いです。ただ、パワーがある車は総じてクラッチが強化されている関係上、この車もクラッチのストロークが長い!そして重い!ペダルを奥の方までグイーっと踏み込んでギアチェンジします。その関係上、なかなかベストなドライビングポジションが定まらなかったです。身長180cmくらいで足の長いアメリカ人などがちょうどいいサイズなのかも知れませんね…




走りはどうなの?
走りはどうなの?




エンジンはあまり高回転型ではなく、あくまで低回転域でドロドロと回しつつ、トルク感を楽しむというのがこの車の味付けだと思います。なので、常用域は常に3000回転以下で十分で、高速道路に乗っても100km/hで6速だと2000回転とハイギヤードな設定なのですが、トルクフルなので6速のままアクセル踏んでもあっというまに140km/hに到達します。この辺のツアラー的性能が、スカイラインクーペの最大の醍醐味かなと思います。とにかく高速道路での巡航が楽ですね。直進性能も相当良いし、何しろ何キロで走ってもエンジンのうるさい音がほとんど入ってきません。

ただ、一般市街地の特に狭い路地なんかは大の苦手です。ボディの幅があることに加え、小回りが全然ダメですので、狭い路地+直角コーナーみたいな世田谷や杉並によくある道だと、ホント使い物になりません。また、Uターンも苦手です。結構、道を選びます。




買うなら今!
買うなら今!




中古価格が完全に落ち着いています。これ以上下がりも上がりもしないでしょう。しかし全体的に走行距離は伸びつつあるので、まさに買うなら今でしょう。不人気車ですので、Z33フェアレディZなどに比べると相対的に価格が安いです。が、周りは買った価格よりも高く評価するのがこの車です。それ以上にこの価格でこの走りが手に入るのですから、「たまらん」認定でしょう。後ろの席は大人もギリギリ座れます。
スカイラインクーペ。スカイラインファンからは「別の系統」と思われ、レース指向の人からはフェアレディZばかり注目される「ぼっち」車種、でもアメリカでは大人気でみんな勝手にインフィニティのエンブレムを付けたりするのが基本チューニングのこの車種、最高ですよ!




オマケ:エギゾースト音を収録してみました



YouTube - NISSAN SKYLINE COUPE CPV35(G35) EXIZAUST




日産 スカイライン 350GTプレミアム6速マニュアルDVDナビTVDVDHID | 中古車ならGoo-net(グーネット)
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※当ページ内の内容は2011年1月18日現在の情報です。




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