たまらん中古車
第12回「軽自動車にして軽自動車を越えていく!」



日本の自動車シーンでのガラパゴスといえば、なんと言っても軽自動車。軽自動車という規格は、排気量が660ccまで、64馬力まで、車体の寸法など色々と決まりがありますが、それは日本独自の規格なんです。世界中どこにもそんな規格が無い中、日本では今軽自動車がかなりの台数走っています。これはまさにガラパゴス状態!
しかし度重なる安全規格の肉付けによる重量増、規制緩和で車高だけが随分と高くまで許されたことによるワゴンRやムーブを中心としたハイトワゴン人気、それでも緩和されない車幅や排気量と馬力。結果的に非力なエンジンを高回転でブン回して重くて風の抵抗のある車体を走らせるため、リッターカーよりも悪い燃費性能。この辺に軽自動車は自動車としてのバランスの歪さが出てしまっているというのが今の現状だと思います。
それでも圧倒的に安い税金、車庫証明が要らない手軽さなどで、地方を中心に走っている車の半分以上が軽自動車になり、「移動の足」となっている都道府県も多くあります。
そんな軽自動車シーンは煮詰めて煮詰められたガラパゴス状態であり、決められた規格の中でどれだけアイデアと性能を盛り込み、車のアイデンティティを確保するか?という熾烈な戦いが繰り広げられているわけです。軽自動車こそ日本の車!と言っても過言ではないほどこの世界は濃いです。
そんな中で、ちょっと他と違う方向のアイデンティティを持った一台を紹介!




平成18年式 ダイハツ・ソニカ RS
ダイハツ・ソニカ RS
ダイハツ・ソニカ RS




ダイハツです。今やトップオブ軽自動車メーカーで、「ムーブ」「タント」などの車名はみんな知っていると思いますが、今回紹介する車種は「ソニカ」。え?何ソレ?というくらい知名度の低い車であります。パッと聞いて車が想像できない。車をパッと見ても名前が出てこない。そもそも街で走ってる所をほとんど見ない。それでも最近の車。なんとも影に隠れた微妙な車種であります。
エクステリアもそれほど強い個性を主張しているわけでもなく、サラっと薄味風味。そんなソニカですが、実は私最近これを買ってしまいました。




サイドビュー
サイドビュー




「バブルさん車買い換えたんだって?スカイラインの次は何?」と聞かれて、「ダイハツのソニカ」と答えると、多くの人は「えっ?」という顔をします。まず、ダイハツであること。スカイラインクーペの次にダイハツに行くカーライフは一体何を考えているのだという。そしてソニカという車名が分からない。「ソニカ、って何だっけ?」という感じで毎回聞かれます。何にせよ、3.5リッターのV6から、660ccの3気筒に乗り換えたわけで、まあ一般的には意味の分からない車遍歴が出来つつあります。何を欲して?何が不満で?こうなったのか!?




リアビュー
リアビュー




車に何を求めるか?どういう部分に楽しさを感じるか?どういう部分があれば便利だと思えるか? というのが人々が車に求めるモノだと思いますが、自分の場合「走って楽しいこと」が第一で、その次に「オモチャみたいに遊べる感じ」というのがあります。軽自動車はこう言っちゃ何ですが、どの車種もどこかオモチャ感があり、ジャンクな感じがするじゃないですか。どれも小さくてゴーカートみたいだし。小さいのに機能だけ本格的だったりして、でもどこかチープなほころびが見え隠れしたりして。同じ快適性能があったとしても、レクサスやベンツなどとは2つも3つも格が違うわけです。プラスチックの部品やエアコンの音全てが。そういう部分をオモチャとして楽しめるかどうか?が、軽自動車ライフを充実させるキーだと思うわけです。




5ドアハッチバック
5ドアハッチバック




しかしながら前述したように、最近の軽自動車はどれも車重が重くて、走りがどうもね〜と僕も思っていたのです。大人4人乗ってエアコンでも付けようものなら坂道上がらないとか。高速道路乗って横風でガンガン揺られるとか。そういうネガティブイメージを持っていたので長年敬遠してきた世界であります。このカテゴリは、地方に住んでる人が下駄として使うだけの、ドライビング・プレジャーとは無縁の世界であると。
でも軽自動車シーンをちゃんと見てみると、各メーカーそれぞれ面白い車種を出しているではありませんか。何も下駄グルマばかりではないのです。決められたキツキツの寸法の中で圧倒的なアイデアを詰め込み、メカを小型化するテクノロジーで、人間には快適性能を与える。まさしく日本の携帯電話と同じ世界が広がってます。
そこでソニカという車が自分にとって興味のある対象となったのです。




コックピット
コックピット




まずこの車は車高が低い事。今、一番車高が低いのはオープン2シーターの「コペン」ですが、その次に低いのはこれです。そしてターボ車であること。車重が軽いこと。これだけ満たせば走りは期待できます。でも一番グッと来たポイントは、ギアのレンジが広いこと。CVTで、トップギアはかなりのハイギアードな設定となっており、100キロ巡航時で2,800回転という、リッターカーよりもエンジン回転数が低いのです。え、あの非力な軽のエンジンでそれでちゃんと走るの?と思いますが、軽い車重や良い空気抵抗なども相まって、何の問題もなく走るわけです。で、小さい排気量で低い回転数で走るわけですから、高速走行したときの燃費が素晴らしい。車高が低いから横風の抵抗受けにくい。これがソニカの特徴だと思います。
ただ、全然売れなかったみたいでダイハツ史上最も短命なモデルとなりました。何故売れなかったかというと、軽自動車を求める人はみんな下駄グルマとしての便利さを求めるので、車内は広い方がいいし物は積める方がいい。高速道路なんかあんまり乗らない。高速乗るのであればリッターカー買うよ、という感じで、見事にカスってしまい、ソニカという車名の知名度は低いまま絶版になってしまいました…。
おかしいなあ。自分にとってはまさに好みがドンピシャな車種なんだけどなあ?なんでみんな分からないかなあ? と思いながら、しばらくはこの子を愛でていきたいと思っております!




ダイハツ ソニカ RS ターボ ワンオーナー アルミホイール | 中古車ならGoo-net(グーネット)
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※当ページ内の内容は2011年3月4日現在の情報です。




関連サイト
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ニュースリリース【ダイハツ 広報発表】
ダイハツ工業株式会社|軽自動車・エコカー・低燃費車




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