たまらん中古車
第16回「3人並んで座ってみたら!?」



僕はベンチシートっていうのが好きなんですよ。昔のアメ車みたいな、前の席は運転席と助手席が繋がってるシート。あの、ホールド性もへったくれもないあれ。今でも軽自動車は助手席とベンチシートになっているのが多いけど、普通車でのベンチシート車は今やほとんどありません。
ベンチシートは名前の通り、ベンチのように腰掛けることのできるシートで、普通の一人用のシートと違って隣の人と妙に接近したり、だらしない座り方をしたり、何だか色々できるわけです。まあ、オッサン3人がベンチシートに座ってると鬱陶しいだけですが。3人座れるベンチシートに敢えて二人でだらしなく座る、っていうのが開放感があっていいんじゃないでしょうかね。
今回紹介するのは、激安ベンチシート車である日産「ティーノ」です。




1999年式 日産 ティーノ
日産 ティーノ
日産 ティーノ




あの…この車、知ってます?「ティーノ」です。「ティーダ」という車もありますが違います。サニーをベースにしてちょっと横幅広げてワゴン形状にしたのがこのティーノ。90年代末、この車が出てきた頃には、日産というメーカーの経営はどん底状態にあり、倒産秒読みと言われていました。どの層に向けて売っているのか分からない車ばかりになっているのに、「シーマ現象」以降、バブルの残り香のように過剰装備の車ばかりとなり、経営を圧迫したんです。2000年代に入り、カルロス・ゴーンという凄い経営者がフランスからやってきて、バッサリと贅肉を切り落として日産を立て直したわけですが、その直前の日産車がこれです。たまりませんね!




サイドビュー
サイドビュー




サニーを横幅広げて高さも高くして、前席にベンチシートぶちこんで、エンジンの排気量も上げて、さらに当時はまだまだ珍しかったCVTまでぶちこんでみたという日産の意欲作なんですね。でも日本ではヒットしなかった。ティーノはこの一代限りで終わってしまいました。実は100台限定の「ティーノ・ハイブリッド」なんていうのもあったんです。このティーノは純正のエアロをまとったスポーツモデルです。




リアビュー
リアビュー




リアスポイラーが何か耳みたいに見えますね。今回はエアロ付きモデルをチョイスしましたが、この車はエアロ無しの素の方が味があるような気もします。何か雰囲気がフランス車みたいなんですよね。「素っ気ない変態」と言うか。エアロを付けることによって変態が変態であると主張するので出オチになってしまうんですね!
どうもこの車、ルノー・セニックと同じようなニオイを感じるんです!まだゴーンさんが来る前ですよ?




ルノー セニック
ルノー セニック




どこか雰囲気似てません?丸っこいボディラインにワイドな横幅。フロントグリルの形状まで…。ひょっとしたら日産はこの車を出す事で、結果的にルノーに対してラブコールを送ったことになったのかも知れません。




コックピット
コックピット




うわっ!ポップな緑色だらけ!シートにインパネに内張もこのミントな色で、フロアマットも柄物!こういう色遣いの車、ここ10年で一気に減りました。90年代的ポップさ、バブルの華やかさの残り香みたいなものを味わえるインテリアだと思います。そして目を引くのがコラムシフトなCVT!そう、ベンチシートで真ん中には人が座るから、シフトレバーはこうならざるを得なかったんですねぇ。




フロントベンチ
フロントベンチ




フロントはこんな感じでシートが長く繋がってます。3人ギリギリかも知れないけど並んで座れるシートです。フロントに3人座れる車というと、フィアットのムルティプラか、トヨタのプロナードか、ホンダのエディックスか…といったところでしょうか。




リアシート
リアシート




リアも3つぶんのシートがあります。真ん中のシートがちゃんとくぼみがあるのは地味にいいですね。普通真ん中はくぼんでないですから。




ラゲッジ
ラゲッジ




ラゲッジスペースも十分な広さがある模様です。ちょっと左右のタイヤハウス関連の出っ張りが邪魔そうではありますが…。

ということで日産・ティーノ。6人乗りのワゴンをゆる〜く、そしてちょっとフレンチの香りを感じつつ運転出来そうな車だと思います。乗り捨て感覚で、色々なパーツをヤフオクで買ってDIYで装着するというのも楽しいのではないでしょうか。燃費はあんまり良くないようですが…




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※当ページ内の内容は2011年5月18日現在の情報です。




関連サイト
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日産:ティーノ
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