
第1回「レオパルドン / 猛犬EP」
火災発生火災発生
1998年、六本木のクラブの地下一階。私は悪友とあてもなく音楽と酒、そして女、ドラッグとかを求めて遊びに来ていた。
フロアではハウスみたいなのが流れ、荒くれ者達が踊っていた。週末も午前二時を過ぎると満員になる。お馴染みの乱痴気騒ぎが始まる。
「あのスケ、いいんじゃないか?」
悪友が俺に囁いた。
「よし、いくか」
その瞬間、前ぶれなくフロアに警報のベルが流れた。
「火災発生火災発生、只今一階女子トイレで火災が発生しました。お客様は落ち着いて、フロアよりご退場下さい。」
当然、フロアはパニックに陥る。ビールを投げ捨てて出ようとする女、どさくさにまぎれて女のパイを揉もうとする男。
私はといえば勿論パニック状態に陥り、裸でワセリンを塗ってツヤツヤした男を押しのけてクラブから脱出ようとしていた。
その時フロアにアナウンスが流れた。
「--嘘です。」
それがレオパルドンとの出会いだった。
フロアではハウスみたいなのが流れ、荒くれ者達が踊っていた。週末も午前二時を過ぎると満員になる。お馴染みの乱痴気騒ぎが始まる。
「あのスケ、いいんじゃないか?」
悪友が俺に囁いた。
「よし、いくか」
その瞬間、前ぶれなくフロアに警報のベルが流れた。
「火災発生火災発生、只今一階女子トイレで火災が発生しました。お客様は落ち着いて、フロアよりご退場下さい。」
当然、フロアはパニックに陥る。ビールを投げ捨てて出ようとする女、どさくさにまぎれて女のパイを揉もうとする男。
私はといえば勿論パニック状態に陥り、裸でワセリンを塗ってツヤツヤした男を押しのけてクラブから脱出ようとしていた。
その時フロアにアナウンスが流れた。
「--嘘です。」
それがレオパルドンとの出会いだった。
Midnight Dancer
曲はシンプルなシカゴハウスのトラックに警報、アナウンス、謎の親父の説教が載ったものだった。
火事で無いと安心した客は喜び、親父の説教に合わせて踊った。
私はつかつかとDJの前に歩み寄り、ブースの中を覗き込んだ。
しかしレコードがグルグルと周っており、文字は読み取れなかった。
「今の盤(トラックの事)は何だ?教えないと俺のコルトが火を吹くぜ。」
こめかみに銃をつきつけられ、坊主頭の気弱そうなDJが答えた。
「レオパルドン / Midnight Dancer」
「もっとこいつの曲はないのか?」
「・・・この店に行ってみな。」
DJから受け取った紙切れには「shop33」と書いてあった。
火事で無いと安心した客は喜び、親父の説教に合わせて踊った。
私はつかつかとDJの前に歩み寄り、ブースの中を覗き込んだ。
しかしレコードがグルグルと周っており、文字は読み取れなかった。
「今の盤(トラックの事)は何だ?教えないと俺のコルトが火を吹くぜ。」
こめかみに銃をつきつけられ、坊主頭の気弱そうなDJが答えた。
「レオパルドン / Midnight Dancer」
「もっとこいつの曲はないのか?」
「・・・この店に行ってみな。」
DJから受け取った紙切れには「shop33」と書いてあった。
shop33
翌日、紙切れを頼りに吉祥寺の街へと辿りついた私は、通行人に聞きながらなんとかその場所へと辿りついた。
うらぶれたビルの二階に上がると白を基調とした店内に落ち着いたビートが流れていた。moodymann / oceansだ。
店内にはクラブキッズ向けの服が置かれ、その奥にカウンターがあった。
ショートカットで澄んだ瞳のスケがそこには立っていた。
私は聞いた。
「レオパルドンの曲はありますか?」
昼の間は、私は女に銃を突きつけない。
彼女が指をさした方向には様々なレコード、CDが存在した。
謎のCDR群、そして得体の知れないアナログ(レコードの事)。
探してみると昨日のアナログはなく、猛犬EPというアナログが置いてあった。
可愛いワンちゃんの写真が盤面に写っている。
そこに収録されている4曲を視聴して私は衝撃を受けた。
スパルタンX、ランバダ、フランダースの犬、そしてクラブカルチャーを茶化した演説。
ハウス、テクノのビートに載せて自分の好きなものを好き放題にサンプリングしている。
それらは明らかに不法であり、当時私が買っていたテクノとかとは違う何かが溢れていた。
「本気で聴いていたやつ、嘘に決まってるだろ!気持ち悪いんじゃぁぁ!ヴェェェェ!」
猛犬EP「Spiritual Dancer 〜 TECHNO or DIE!!」の最後の部分まで聞き終えた後、慎重に針を上げ、そのヴァイナル(レコードの事)をレジに持っていき購入した。
「また、くるよ。」
吉祥寺の街は空気が乾き、空が見えていた。梅雨があがったのだ。
これから何かが始まるかもしれない。
しかしその時の私には「それ」が何かが分かっていなかったのだ。
ビート・ゴーズ・オン
(この記事は少し事実を元にしたフィクションです)
うらぶれたビルの二階に上がると白を基調とした店内に落ち着いたビートが流れていた。moodymann / oceansだ。
店内にはクラブキッズ向けの服が置かれ、その奥にカウンターがあった。
ショートカットで澄んだ瞳のスケがそこには立っていた。
私は聞いた。
「レオパルドンの曲はありますか?」
昼の間は、私は女に銃を突きつけない。
彼女が指をさした方向には様々なレコード、CDが存在した。
謎のCDR群、そして得体の知れないアナログ(レコードの事)。
探してみると昨日のアナログはなく、猛犬EPというアナログが置いてあった。
可愛いワンちゃんの写真が盤面に写っている。
そこに収録されている4曲を視聴して私は衝撃を受けた。
スパルタンX、ランバダ、フランダースの犬、そしてクラブカルチャーを茶化した演説。
ハウス、テクノのビートに載せて自分の好きなものを好き放題にサンプリングしている。
それらは明らかに不法であり、当時私が買っていたテクノとかとは違う何かが溢れていた。
「本気で聴いていたやつ、嘘に決まってるだろ!気持ち悪いんじゃぁぁ!ヴェェェェ!」
猛犬EP「Spiritual Dancer 〜 TECHNO or DIE!!」の最後の部分まで聞き終えた後、慎重に針を上げ、そのヴァイナル(レコードの事)をレジに持っていき購入した。
「また、くるよ。」
吉祥寺の街は空気が乾き、空が見えていた。梅雨があがったのだ。
これから何かが始まるかもしれない。
しかしその時の私には「それ」が何かが分かっていなかったのだ。
ビート・ゴーズ・オン
(この記事は少し事実を元にしたフィクションです)
関連サイト
・LEOPALDON-レオパルドン-
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