大衆酒場ベスト1000
第39回「立呑み 二合(池袋)/いわしの煮つけ」
あ〜、またいい店見つけちゃったな〜!
池袋が連続してすみません。
昨日行って来たお店があまりにも良かったので、熱が冷めないうちに書き留めておこうと。

今回ご紹介するのは「立ち呑み 二合」さんです。
池袋の東口に六つ又陸橋と呼ばれるでっかい交差点があるんですが、その近くにあります。

ここ、職場から割と近いので、たまに前を通ると気になってたんですよね。
だって見て下さいよこの外観!




プラモみたい!
プラモみたい!




そりゃー気になるでしょう!
ちょっと変な表現ではありますが、かわいすぎる!

店名もいいですよね、「立ち呑み 二合」。
あんまり深酒をするんでなく、お酒の二合も飲んだらサッと帰る。
そんな粋な飲み方が出来る客が集まる素敵なお店なのかな、というのが名前からして伝わって来ます。

それが証拠に看板にも書いてありますよ、ほら。




味よし 客よし 値段よし
味よし 客よし 値段よし




味よし、値段よしというのはまあ常套句ですが、“客よし”っていうのは初めて見たかも知れませんw
「それはこっちサイドの問題だから!」っていうね。
だけどそんなフレーズがサラッと書いてある所に、お店と客の信頼関係が感じられるじゃないですか。
うん、やっぱりどう考えても気になりますよこれは。

ただこのお店、僕の職場から駅に向かうのとは反対側にあるので、なかなか夜に前を通る機会がなかったんですよね。
駅からも多少歩くので、知り合いと飲むのにいきなり「じゃあ、あそこ行ってみよう!」というのもまた微妙。
なのでこれまで行く機会どころか、営業しているのを確認する事もなかったのです。

ところが昨日、かの有名ライター安田理央さんと池袋で飲みましょうという事になり、あとから合流する方もいる予定だったんですが、18時からしばらくはサシ飲みという状況になりました。
安田さんは「B級グルメ道」なる電子書籍も執筆されているくらいで、そういった好奇心を十分お持ちなのは言わずもがな。
では、角打ちや立ち飲み屋なんかをブラブラしながら巡ってみようという事になり、「ちょっと気になるお店があるんですけどいいですか?」と聞いたところ「もちろん!」というお返事をもらって、ついに初訪出来たのが昨日というわけです。

夕方以降ここを見るのは初めてだったんですが…




お、やってる!
お、やってる!




お客さんの姿も見えますね。
では潜入してみたいと思います。

まずは店内、外観から想像出来る通りの広さで、席はもちろんカウンターのみ。
10人は入ればギュウギュウじゃないでしょうか。
大将がしっかりした性格なんでしょうね。
隅々までとても綺麗に片付いていて、清潔感溢れております。




日本酒や焼酎の種類も多いです
日本酒や焼酎の種類も多いです




入り口の引き戸と裏口は開け放たれていて、冷房は無し。
扇風機で風を回しているので全く不快感はなくて、むしろぬるめの風がめちゃくちゃ心地良いです。
外に出るとこの蒸し暑さが不快で不快でたまらないんですが、なんとも不思議ですね〜。

ではこの夏の空気を堪能しつつ、まずはホッピーを頂きますか。




ホッピーセット(400円)
ホッピーセット(400円)




よく冷えたホッピー、グラスに氷、そして“ナカ”こと焼酎が別々に出て来ます。
それにしても目を引くのがこの焼酎ですよね!
日本酒スタイルで、下の枡にこぼれるくらいたっぷりと注がれてます。
ホッピーの焼酎の提供の仕方には色々パターンがありますが、これは初めて見たな〜。
量もたっぷりなんで、グラス換算で2杯はまず余裕で行けますよ。

次におつまみですが、立ち飲みの定番の乾きものや缶詰なんかは色々と並べられていて、どれも原価みたいなもんです。
しかし気になるのはカウンターの上のアクリルケース。




写り込んでいるのは大将。後にキャラの良さが判明。
写り込んでいるのは大将。後にキャラの良さが判明。




ケースの中にバットが置かれ、その日大将が仕込んで来たであろうお惣菜類が並べられています。
どれもおいしそうだし、異常に安い!

隣のお客さんが頼んでいるのは、きゅうりとオクラのマヨネーズあえ(100円)ですか。
きゅうりとオクラ、さらに青じそが刻まれ、それをお皿に盛ってからマヨネーズをかけるシンプルな1品です。

大将がやけに親切で、お客さんに「自分でやるか?」と言ってマヨネーズを容器ごと渡しています。
マヨネーズをかけ終わると今度は「その上に鰹節かけてやろうか?」と提案してます。
「酒場特有のいい風景だな〜」なんて思いながら見るともなく見てると、お客さんが「それ合うの?」と何気なく聞き返しましたね。
そしたら大将「知らねぇよ、合うか合わないかなんて、やった事ねぇんだから!」とか言い出しましたw

あ、もちろん急に切れたとかそういうんじゃないですよ。
江戸っ子的な威勢の良さというんでしょうか、このキャラに僕はすっかりハマってしまいましてね。
それ以降もう大将から目が離せなくなってしまいました。
こちらは笑いをこらえるのに必死ですが、常連の皆さんはそれを聞いて「ワ〜ハッハ!」と楽しそうです。
愛されてるんですね〜。

あ、僕らもなんか頼みましょう。
豚肉のしょうが焼き(2枚150円)にしてみます。
よ〜くタレに漬け込まれた、大振りできれいな豚肉、これが2枚で150円ってサービスしすぎでしょう?

ここで大将に「網で焼くのと鉄板で焼くの、どっちがいい?」と聞かれました。
すると同時に「こっちも!」ってな感じでしょうが焼きを注文した常連さんが「どっちがうまいの?」と聞いてくれました。
そしたらまた出ましたね、大将節が。
「知らねえよ、どっちがうまいかなんて、やった事ねぇんだから!」と。

「やった事ないこと多すぎないっすか?w」ってな感じでまたしても一笑い頂いた後で「じゃあ網で」という事になって、魚焼きグリルみたいなのに肉を4枚並べて焼き始めてくれました。

焼けるまでの間のつまみが欲しいので、谷中しょうが(3本100円)を頂きます。
ちょっと珍しい甘めの味噌が乗ったお皿を受け取って、「好きなの3本選んでいいよ!」という事ですのでカウンター上のコップから引き抜きます。

それから自家製のぬか漬けもあるようなんで、その中からきゅうり(100円)を注文。
「ちょっと漬かりすぎちゃったんだけど大丈夫?」と聞かれたくらいで確かにけっこう酸味が強めでしたが、ぬかの風味も力強くて、これがお酒に合う!
しかも立派なきゅうりが1本分丸ごとですよ!




ホラ!
ホラ!




いや〜、1品ごとに安さに驚かされます。

それらをつまみながらしばらく飲んでると、他のお客さんの注文や会話に対応していた大将が「あっ!」と慌てて、先程のグリルの様子を見に行きました。
「いけねぇ焦がしちゃった!」と、さっきの4枚の豚肉、焼きすぎちゃったみたいですねw
どこまでも愛すべきキャラクターです。

「これは食べていいよ」と焼きすぎてかなり小さくなっちゃったしょうが焼きを出してくれたんですが、これはこれで申し訳ないほどうまいっす!
お金払ってもいいくらいなんですが、ここは素直にご好意に甘えさせて頂きましょう。




焼き過ぎしょうが焼き
焼き過ぎしょうが焼き




それからあらためて焼き直してもらった(もちろん鉄板でw)しょうが焼きがこちら!




お見事です!
お見事です!




いや〜、濃いめに味付けされた豚肉と脂の旨味で酒が進む進む!
「ご飯が欲しくなりますね」なんて安田さんと話してたんですが、みんな考える事は同じのようで、常連さんは“サトウのごはん”を温めてもらってました
そういう手もあるのね。
しかしこちらは一見ですので、メニューにない物は何度か通ってから頼むとしましょう。

お酒にはレモンサワー(外のみ 170円)を追加。
ブランドはヤエスです。




ちなみに焼酎の中身のみは250円
ちなみに焼酎の中身のみは250円




それでは最後に一番感動的だった1品をご紹介!
これです!




いわしの煮つけ(100円)
いわしの煮つけ(100円)




見るからにプリプリと肉厚で、よく味が染み込んでいておいしそう!
これが1本100円って…。
うしろの棚にどれでも1つ200円で並んでいる缶詰の中にイワシもありますけど、今日そっち頼む人とかいるんでしょうか!?

で、出してもらったのがこれ!




またよだれが…
またよだれが…




刻んだしょうがもたっぷり乗ってて、それをかじるだけでもお酒飲めるくらいなんですが、何と言ってもイワシの身!
これも濃いめに味が染みており、梅干しと一緒に煮てあるのでほんのりと爽やかな風味もあって、正直うますぎる!
見た目通り肉厚で、良い感じに脂も乗って、とにかく最高です!

いや〜、よかった。
行ってよかった。

なにしろ料理が安すぎるんで、「そろそろお腹もふくれて来たし、酔いもいい〜感じで回って来たし、お会計しますか!」っつって値段を聞いてさらに驚愕!
なんと2人で1,700円ですよ!

割ったら小銭!

いや、またお邪魔したいと思います。


あ、すみません、本当に小さなお店なので、地図などの詳細は省かせて頂きますね。
でも冒頭の僕の説明で、興味を持った方ならきっと辿り着けると思いますよ!


それでは!




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