大衆酒場ベスト1000
第47回「あぶさん(江古田)/なんこつ」
パリッコ的江古田最強コース!【前編】
ダラダラと回を重ねておりますこの連載ですが、今年の前半に1度だけ休載、お休みを頂いた事がありました。
読んで下すってる方にとっては、今更心底どうでもい〜事だと思うんですが、実は僕、そういうの妙に気になっちゃう質なんですよねぇ。
な〜んかいつまでも引っかかるっていうか。

というわけでいつもは2週に1回のこの連載、今週と来週のみ2週連続更新とさせて頂いて、辻褄を合わせてスッキリ年を越したいと思います!

せっかくなので前・後編に分けまして、大好きな街「江古田」のおすすめハシゴコースをご紹介致します!
他にもたっくさんいいお店がある江古田だけど、現在の個人的暫定1位のコースがこれだ!


では本題に入りまして、1軒目としてご紹介するお店が「あぶさん」
西武池袋線・江古田駅から徒歩1〜2分。
前を通るだけで意思とは無関係に吸い込まれてしまうような、素敵な店構えのお店です。




もつ焼 あぶさん
もつ焼 あぶさん




近くには「NOAH」という素敵なDJバーがありまして、そこで楽しいパーティなんかがよく開かれているんですよね。
このお店を知ったのも、以前NOAHに遊びに行った時、読者の皆様にはもうすっかりお馴染みであろうバンド「チミドロ」のナオさんに「パーティ前に軽く飯でも行きましょう!」って流れで教えてもらったのがきっかけだったんです。
「あそこが割といいんですよ」なんて軽い感じで連れてってもらったので油断していたんですが、さすがチミドロ!ちょっともう、衝撃的にヤバかった!
この感動を今回、少しでもお伝え出来ればいいんですが…。

ところで「あぶさん」という店名を聞いてピンと来る方もたくさんいらっしゃるでしょう。
あの「ドカベン」でもお馴染みの水島新司先生が描かれた、酒と野球が入り乱れる名作漫画。
そこからのインスパイアかと思われます。
もちろん店内には何種類かの漫画に混じって「あぶさん」がちゃんとありますからね。
店名からして最高っす。

それではお店に入って行きましょう。
一番最近行ったのは日曜日で、オープンちょうどの16時に入店。
流石に一番乗りでしたが、30分もすると常連さんたちでほぼ満席状態に。
地元の人々に愛されている店って、間違いないですよね。
あ、だからと言って一見さんが入りづらい雰囲気とかは皆無ですのでご心配なく!

ではでは、まずはいきなり驚いて頂きましょう。
1杯目はホッピーを注文




ドン!
ドン!




「オイ、ホッピーとか言っといて、チューハイの写真載っけてるぞ!ドジ野郎!」とモニターの前でわめいているそこの貴方!
一旦落ち着いて下さい!
気持ちはわかりますが、これ、ホッピーの“ナカ”なんです!

つまり、これが焼酎の原液で、ここにホッピーを注いで、割って飲むってわけです。

十数年、好きで色々な居酒屋に行って来ましたけど、ここまで太っ腹なナカは初めて見たかも知れません。
もうこの時点であぶさんに全幅の信頼を寄せちゃいましたね!

種明かししてしまうと、実はこのナカは店員さんが「ちょっと入れすぎちゃった!」と言って持って来てくれた物なんですけどね。
それでも、普段も目安で言ってジョッキに印刷されたあぶさんの“ぶ”の文字の辺りまでは注がれて来ます!

※ちなみに写っているのはナオさんの指。水位の指差し確認w

こちら、セットが380円追加のナカが250円
ホッピー1本でナカ2杯いったとして、計630円で、もうクラックラ!


それではお料理の方をご紹介して行きましょう。
こちらのお店、若者の多い江古田という場所柄もあるんでしょうか、かなり若く見える、しかも今風なお洒落でかっこいい店長さん(たぶん)が切り盛りされています。
失礼を承知で言えば“若者”といった見た目ですが、この方の料理の腕が本当に素晴らしい!
串の焼き加減にしたって、もう何十年と経験を積んだ名人クラスと言って全く差し支えない!と少なくとも自分は思う!
もうね、居酒屋界に新進気鋭の天才現る!って感じですわ。

基本メニューはこちら。




シンプル、かつ安い!
シンプル、かつ安い!




以下の写真で伝わりますよね。
串は何を頼んでも、本当に例外なくうまいっす。




トロ、シロ、タン、かしら、レバー
トロ、シロ、タン、かしら、レバー




つくね柚胡椒(?)、タン(?)、シロ、レバー
つくね柚胡椒(?)、タン(?)、シロ、レバー




つくね、豚バラ
つくね、豚バラ




全てが外はカリッと、でも中はジューシーに、絶妙〜に焼き上げてあります。

トロは名前の通りで、口に入れると瞬時に溶けます。
下ごしらえがとても重要なシロも、臭みはきっちりと取られていますが、フワフワ感は抜群!
かしらは信じられないくらい柔らかいし、レバーなんて言わずもがな!
それから手作りの“つくね”がまたたまんなくて、よくあるあの軟骨のコリコリ感、あれに頼っていないタイプのつくねでして、フワッフワの身が口の中でほぐれて、強〜い旨味が一気に広がります。

塩もいいけど、ここのタレがまたうまいんですよね〜。
甘さは若干抑えめのあっさり味なんですが、じっくりと噛み締めたくなる深みがあります。
添えられたコチュジャンとのハーモニーもヤバい!

これらの串ほとんどが90円、一番高くてもつくねの160円だってんだから、どうかしてますよ、もう!

それからちょっと判読は出来ないかもしれませんがこんな感じで、




奥の黒板ね
奥の黒板ね




行くたびにちょこちょこと変化する黒板メニューも大量にあります。
サラダやおつまみ系の一品ものから、豚丼やラーメンなんつう食事メニューまであり、お客を飽きさせない!




鶏たたき(確か380円)
鶏たたき(確か380円)




そりゃたまんねー!




コブクロ刺し(380円)
コブクロ刺し(380円)




新鮮なコブクロにネギとカイワレ、それをキムチ味で!
クセになる食感!




もつ煮(320円)に豆腐(値段忘れ)プラス
もつ煮(320円)に豆腐(値段忘れ)プラス




でっけー器!
これうどんとか食う時使うやつでしょ!
トロットロに味が染み込んで最高!




おしんこ盛り合わせ(380円)
おしんこ盛り合わせ(380円)




これ超〜〜〜オススメ!
日替わりで出ていたアスパラとセロリの浅漬け、フレッシュ!
さらに甘めに漬けられたたくわんと、隠れちゃってるけど野沢菜、ジャストな漬かり具合!
ガッツリ脂の乗った串たちの合間につまむともう天国っす。

ハァ〜何を頼んでもため息しか出ない…。
改めて店主の腕、確かすぎっす。


さて、ホッピーはナカのおかわりまで飲み切ったところで、何かお酒を注文しましょう。
やっぱりありますよね!「アブサン」

アブサンってのはかなり危険なお酒で、火がついちゃうくらい強〜い度数と香草系の独特な味が特徴。
スイス、ドイツ、アメリカなどでは禁止されていた時代もあるそうですね。

しかしながらあぶさんに来てアブサンを飲まない手はないでしょう。




アブサン・ロック(500円)
アブサン・ロック(500円)




美しい緑色ですね。
香りはあれ、四川料理によく使われてる花椒!あれにそっくり!
口に含んでみるとそこまで究極にアルコール度数が高いやつではないのか(アブサンにも色々ある)、案外飲みやすいですよ。
甘くて香草系の味がガツンと来て、このクセは好き嫌いはかなりわかれそうですが、うまい。
Wikipediaで見たら“水を加えると非水溶成分が析出して白濁する”ってな記載がありましたが、確かに時間が経って氷が溶け始めると全く別物の色に!




こっちもまたきれいですね
こっちもまたきれいですね




興味がある方は是非体験して見て下さい。


さてと、それでは最後に一番インパクトのあったメニューをご紹介、こちらです!




なんこつ(1串90円)
なんこつ(1串90円)




なかなかパンチのあるビジュアルをしておりますが、豚のなんこつです。
一目瞭然の重量感ですが、これ、なんと90円の串!

手に持つとズシリとした重みを感じて、思わず指先に力が入っちゃうほど!




重い!
重い!




これがも〜〜〜!マジたまんない!!!

なんこつとはいっても、その周りの身がたっぷり付いていてそっちがメインなくらい。
トロットロで超ジューシー!
1片を1口でいこうもんなら、もう口中なんこつとトロトロ肉で溢れちゃって、1分間は喋るのも難儀するでしょう。
コリコリとした食感がまた最高のアクセントになっちゃってね、もう、幸福ってこれですよね、て感じ。
例のタレともベストマッチすぎだよこりゃ…。

ホルモン系好きな人には本当に食べてみてもらいたい1品でございます。

ここではまだ水・金限定のレバ刺しも食べていないし、飯系も攻めたいし、メニューはどんどん変わってくし、今後とも足しげく通わせて頂こうと思います!


ってなわけで、今回はこの辺で、次は来週、2軒目行くぞ〜!




あぶさん×アブサン at あぶさん
あぶさん×アブサン at あぶさん





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住所:〒176-0005 東京都練馬区旭丘1-67-9
電話:03-3950-1137
アクセス:西武池袋線「江古田」駅




関連サイト
もつ焼 あぶさん 江古田店 モツヤキアブサンエコダテン - 江古田/串焼き [食べログ]




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