手番ですよ。
第23回「『ヨミ』がスゴイ!」



デジタルゲームの人気ジャンル「対戦格闘ゲーム」。
一頃のブーム時の勢いは見られないにせよ、いまも根強い人気。
私も、「ストリートファイター2」にはじまり、「餓狼伝説」、「ファイターズヒストリー」、「バーチャファイター」あたりはそれなりにやり込み、青春時代のいい思い出になっているわけですが、そんな私に強烈に訴えかけるゲームが登場。
それが今回紹介するアメリカ発のゲーム「ヨミ(Yomi)」なのです!
対戦格闘ゲームの、あらゆる要素をアナログゲームに落とし込んだという、なんとも大胆な作品。
しかも、アイデア一発ノリの「ネタ」ゲームというわけではなく、対戦ゲームとしての面白さもなかなかのものという、なんともスゴイ作品!
というわけで、今回は、この「ヨミ」がいかにスゴイのか、それを徹底的に紹介していきたいと思います!




黒塗りのボックスが渋い!
黒塗りのボックスが渋い!




タイトルがスゴイ!
まず、触れなければならないのは、そのタイトル。
「ヨミ」と、パッと聞くと、あまりにアッサリしたタイトルで、スゴさの欠片も感じられないかと思うのですが、この「ヨミ」、実は「読み」のこと。
対戦格闘ゲームの勝敗というのは、プレイ経験が浅いうちは「使い勝手のいいワザを中心に、いかに攻撃を組み立てていくか」というような、いわば「テクニック」の部分による部分が大きいと思うのですが、熟練者同士の戦いともなると、テクニックの差というよりも「ここで弱パンチが来るだろう」、「避けからは投げで来るだろう」といった「読み合い」が重要となるのは、恐らくみなさんもご存知ではないでしょうか。
デジタルゲームですらそうなのだから、コントローラー操作を必要としないアナログゲームにあっては、「読み合い」はより重要。
かくして、作者がつけたタイトルは「ヨミ」となったのでした。
ここで「ヨミ」というタイトルをつけるというのは、本当に対戦格闘ゲームが好きなんだろうなあ。




基本システムがスゴイ!
で、次は、ゲームの根っことなるシステムの部分。
プレイヤーはそれぞれ、手札から一枚のカードを選んで裏向きで出し、同時に公開。
それぞれのカードに「(投げ以外の)攻撃」、「投げ」、「避け」と三種類のタイプがあり、タイプによっての優劣が設定されており、勝った方がそのカードのアクション(基本的には攻撃ならダメージ、というような)を実行するというもの。
いわゆる「三すくみ」システム。「デッド・オア・アライブ」に採用されているアレです。
ここで「三すくみ」を採用したのがなんともスゴイところ。
もちろん、ちょっと込み入ったシステムを採用してもいいところなのですが、込み入ったシステムになればなるほど「再現性」は薄らいでしまうわけで、それを一番いい形で割り切ったというか、「対戦格闘ゲームをアナログゲームに落し込むとしたら、これしかないよなあ」という、まさに「わかっている」選択。
たしかに「移動」、「間合い」というところは再現出来ていないのですが、常にギリギリの間合いで攻防が繰り広げられている、なんていう風にいい意味で捉えたいところ。
そして、ゲームは、さきに体力が0になってしまった方が負けとなります。




細部へのこだわりがスゴイ!
ざっくりと基本システムを紹介したわけですが、これが細部となるとさらにこだわり大爆発。
「三すくみ」の関係にあるカードのタイプ、公開した時に同じタイプのカードが出されていた場合の処理の仕方がまずスゴイ。
それぞれの技ごとに、いわゆる「出の早さ」が設定されており、同じタイプのカードが出された場合には、より出の早い方が優位になる、という寸法。
ま、ちょっと考えれば誰でも思いつきそうなアイデアではあるのだけれど、それを実際にやってしまうというのがスゴイ。
また、それぞれの技に設定されている早さが絶妙で、「あー、たしかにこの技の早さはこれくらいだよなー」と思わず納得の設定。
その他、いろいろな対戦格闘ゲームで見ることのできる、いわゆる「超必殺技」もシステムも組み込まれているのですが、戦いが中盤にさしかかるあたりで自然と使えるようになるように作られており、これも「作者はわかってるなあ」と思わされてしまうはず。
そして、忘れちゃいけない登場キャラクター!
キャラクターは、いわば「主役」なわけで、そのこだわりもハンパじゃない。
10キャラクター分、個別のデッキが用意され、それぞれがデッキケースに収められているというところからして、こだわりがうかがい知れるのですが、それぞれのキャラクターの掘り下げ方がとにかくスゴイ。
「投げキャラ」、「コンボキャラ」という攻撃のタイプでの個性を持ったキャラクターはもちろんのこと、「変身キャラ」、「動物キャラ」といった変態的なキャラクターもしっかり押さえているあたり、さすが、という感じ。
加えて、技の早さや技ごとのダメージ量なんかもしっかり調整されいるのだから恐れ入る。
あ、技といえば、コンボのきっかけとなる技や、間に挟む技、終わらせる技、ダウン技という風にカード一枚一枚にしっかり割り当てがされており、これもまさに「対戦格闘ゲーム」というところ。




凝ったイラストもスゴイ!
凝ったイラストもスゴイ!




その他もスゴイ!
「コンプリートエディション」と名付けられたフルセットは、持てばわかるその重量感からしてスゴければ、入っているものもスゴイ。
10キャラクター分のデッキが個別に10個、プレイヤーごとに用意されたイラスト入りプレイマット、体力表示用カウンターが、しっかりと詰め込まれ、開けた時のインパクトも大。
また、この作者は、このゲームに飽きたらず、続けて発表したのは、スピンオフ的な対戦型パズルゲーム(「○○の対戦ぱずるだま」的な!)を考えて、それをアナログゲームに落としこんでみましたというような作品で、ここまで来ると、もはや、なにがなにやらわからない。(笑)
溢れんばかりの「対戦格闘ゲーム」に対する愛情!いやはや、スゴイ。




例えば、こんなコンボ!
凝ったイラストもスゴイ!




【というわけで】
と、簡単ではありますが、ご紹介いたしました「ヨミ」。
一度遊んでみるのがもっともそのスゴさが感じられると思うので、機会があったら、ぜひ、遊んでみていただきたいところ。
恐らく、あなたが想像したその何倍も「対戦格闘ゲーム」らしさが詰まっています!
あまりに「らしく」って笑えますよ。
私のお店「テンデイズゲームズ」で扱っておりますので、気になる方は、ぜひ。サンプルもご覧いただくことも可能ですので、よろしくお願いします!

というわけで、今回はここまで!では、チューッス!




関連サイト
五十音別 > や行 > ヨミ(TendaysGames)




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