たまらん中古車
第4回「ブサ格好いいマッスルカー!」



車というのはその国の文化を映し出す鏡であります。センスはもちろん、その国の道路事情や住宅事情、果ては長い歴史の中で築き上げられた伝統技術までが形になり、そこにタイヤが付いて走り出したのが「クルマ」だと思うのです!我々も自分たちではなかなか気づかないのですが、日本車であるトヨタやホンダの車も実はかなり日本の道路事情や住宅事情を考えた設計になっているし、「和」のセンスや日本の伝統技術が巧みに織り込まれているわけです。
さて、今回の「たまらん中古車」はフォード・マスタングです。これまでの3回から急に毛色が変わってアメ車なのですが、アメ車って「外車むやみに大きくて燃費も悪くてよく壊れるんじゃないの?そんな車買わない方がいいよ!」というイメージを持ってる人が多いと思いますが、一度現物を間近で見て、触れて、乗ってみると結構認識が変わるんじゃないかと思います。それは「意外にも日本車と同じ感覚で乗れるな〜」ということではなく、やはりこれはアメ車であり、デカいし燃費も悪いんですが、「それはそれでイイんじゃないの?これでアメリカ気分が味わえるなら楽しいんじゃないの?」というイメージに変わるんです。これはボーカリストに対して「歌が上手くないと駄目だ、声が綺麗じゃないと駄目だ」と思っていた人に、「シャッシャッシャッ」でおなじみのEnjo-Gさんの声の入った曲を聴かせたら、「こういうのもアリなんじゃないの?声が汚くてもおもしろければ何でもアリなんじゃないか?」と思わせてしまうのと同じというわけです。
では古き良き時代から今に至るまで続いている「アメ車中のアメ車」の系譜ことマスタングの現行・初期型を紹介!




2006年式 フォード マスタング V6
どうですか!この悪そうな顔
どうですか!この悪そうな顔




マスタングという車はこれで5世代目です。初代は1960年代の数あるハデハデのアメ車の中でも、スポーティでどう猛なイメージを打ち出して大ヒットし、伝説の名車となりました。マスタングという名前は「野性馬」という意味があり、第二次世界大戦後期に活躍した戦闘機「ノースアメリカンP-51マスタング」ともイメージを重ねたと言われています。
それからマスタングは順当に70年代、80年代、90年代それぞれのモダンデザインを取り入れて世代を重ねて来ましたが、2005年の5代目にして一気にエクステリアやインテリアを初代のマスタング風味にし、「古き良き時代のアメ車」テイストを打ち出した方向が大きな話題となりました。具体的にはフロントが逆スラントノーズ(フロントグリルが逆方向に傾斜している)であったり、ボディのサイドライン形状だったり、インパネ周りだったりと、細かいところまでレトロ風味と今風の融合を果たしたデザインが本当に素晴らしい!ぱっと見、ブルドッグのような「醜さ」があるけれど、慣れてくるとどんどん格好良く思えてくる。そんな奥深さがあるデザインだと思います。最近のアメ車はそういう毒のあるデザインが多いですね。




悪いヤツが肉を食いに行くときに乗る車
悪いヤツが肉を食いに行くときに乗る車




アメ車というのは全体的にデカいです。このマスタングも例に漏れず、車幅が1880mmあります。「レクサスLS」の車幅が1875mm、「センチュリー」の横幅は1890mmありますから、その大きさが想像できるかと思います。このサイズでもアメリカでは「ちょうど良い大きさ」なのですが、日本ではちょっと持てあますし、世田谷や杉並などにある細い路地は苦手です。小回りもできません。
そしてエンジンも「大排気量&大パワー」を象徴するようなV8の4.6L SOHCとV6の4.0L SOHCを搭載(新型はエンジン変わってますが)し、とにかくアメリカンワイルドを表現。その割にはディスクブレーキのローター径が小さく、止まるときは結構ユルく止まります。
これらの特徴から、アメ車の中でも特に「マッスルカー」と呼ばれています。排気量にモノを言わせ、「より大きく見せようとしたデザインのボディ」を纏った、あまり頭の良くなさそうなバギーな感じの車のことです。現在のマッスルカー御三家は、マスタングと、シボレー・カマロ、ダッジ・チャレンジャーといった所です。「スポーツカー」ともまたちょっと違うんです。
今は世界的にエコの風潮が高まっており、日本でもプリウスなどのハイブリッドカーが相当な数売れて、社会悪である車の悪の部分わ少しでも和らげようという草食系な動きのある中、V8の4.6Lでズゴゴゴと走るマスタングは完全に肉食系!一切悪びれること無くマスタングでハングリータイガーに乗り付けて、1ポンドステーキをレアで噛みちぎると最高でしょ!




メッキが光るアメリカンなインパネ
メッキが光るアメリカンなインパネ




インテリア、特にメーター周りの造形が60'sテイストで素晴らしいです。このスピードの表記方法やクロムでテカテカなメーターフードにステンレスで直角な3本スポークのステアリングが気分を盛り上げます。しかもスピードメーターのバックライトは7色に変化可能!最近はホンダのハイブリッド車が燃費走行したら緑色、普通だったら青色、みたいな色の変化はありますが、気分だけで意味なくピンク色とかに出来るマスタングのインパネ最高!




意外とタイトなコックピット
意外とタイトなコックピット




運転席に乗り込むと、意外と横方向がタイトであることに気づきます。エンジンをかけてアクセルを踏むと、グゴゴゴゴゴォォォというフォードV6の低くて獰猛な音がこれはマスタングであることを気づかせてくれます。ハンドルは普通の重さで着座位置もそれほど低くないので、車幅にさえ気をつけていれば意外にも運転しやすい車だと思います。峠道などの派手に曲がるような道は得意ではないですが、延々ダラダラとそれほど飛ばさずに、窓を全開にして走ると間違いなく普段見る風景が変わると思います。そして肉を食いたくなるでしょう!


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※当ページ内の内容は2010年11月4日現在の情報です。




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