たまらん中古車
第10回「ハイパワーは正義か悪か!」



「車を快適に走らせる」とはどういう事でしょうか。アクセルを踏んだら動き出すわけですが、どの程度まで加速していけば人はストレスを感じないのでしょうか。大人一人で乗る場合から、大人5人で乗る場合まで。もしくは夏場にクーラーをガンガンにかけたり、アップダウンの険しい山道を走らなければならなかったり、高速道路を500キロ走ったりと、過酷な環境の下でどこまで快適性を保てば人はストレスを感じないのでしょうか。
過剰に与えるとコストに跳ね返り、足りないとダメな車になります。ほとんどの車はバランス良く、だいたいの範囲においてだいたいの性能を返してきて、そこそこ安く、まずまず快適、という所でパッケージングされています。
しかし、この車はちょっとやりすぎてるんです…




平成19年式マツダ マツダスピードアクセラ ベースグレード
マツダ マツダスピードアクセラ
マツダ マツダスピードアクセラ




マツダにアクセラという車があります。アクセラそのものは、そこそこよく走るバランスの取れた車なのですが、実は知られざる激辛バージョンがあります。それがこの「マツダスピードアクセラ」という車です。
パッと見、普通のアクセラとあまり変わらないので、「あぁ、アクセラね」と思ってしまうでしょう。リアハッチの下部をよく見ると「mazdaspeed」というエンブレムがありますが、それも控えめ。どこにでもある「マツダ アクセラ」にしか見えないのですが、実は中身が全然違うのです。




2.3リッター4気筒・直噴ターボ
2.3リッター4気筒・直噴ターボ




この車が「マツダスピード」たる冠が付けられている理由として、エンジンに2.3リッターの4気筒ターボが奢られています。このエンジンは264馬力を発し、普通のアクセラの倍くらいの馬力を発します。でもハイパワーエンジンには、それを受け止めるだけの駆動系が必要になってきますが、マツダスピードアクセラに関しては1390kgという軽量の車体のまま、駆動もFFのまま、ミッションはMTしか用意されていないのです。
その結果、どういうことになったかというと…?
ギアを1速に入れ、アクセルを踏み込むと、踏んだら踏んだだけ無理にでもタイヤが回ります。車重が軽くてタイヤが踏ん張り切れなくても264馬力のターボの力はすさまじく、軽くホイルスピンを起こします。エンジンパワー>タイヤと路面のグリップ、となったときにスリップは起きるのです。パワーが有り余っている車とはこのような車のことをいいます。




いたって普通の車
いたって普通の車




とはいえ、巨大なウイングが付いていたり、やたら車高が低くて乗りにくいスポーツカーではありません。いたって普通のハッチバック。これでイトーヨーカドーの立体駐車場に入って買い物袋をラゲッジスペースにたくさん放り込んでも全く違和感が無いわけです。そこが最大のポイントではないかなと。
マツダ車は特に走りに力を入れた車種が多く、特に欧州にて人気が高いのですが、その中でもこのアクセラに関しては「大ヒット」しています。欧州車でこのようなハッチバックの車種といえば、VW・ゴルフを筆頭に、ルノー・メガーヌ、フォード・フォーカス、アルファロメオ・147などがあり、それぞれターボモデルなどの特に走りを強化したグレード(ゴルフだったらGTI、など)が用意されていることが多いです。それらは一般的に「ホットハッチ」と呼ばれ(ホットなハッチバックだから)、ハッチバックの実用性と走りの良さ、つまり家族への言い訳と車好きのエゴを両立させているわけですが、マツダスピードアクセラもこの「ホットハッチ」シーンのど真ん中を狙って作られた車種だと言えます。




後ろだって普通
後ろだって普通




で、どういった人が積極的にこの車を買うのか?ということですが、欧州ハッチバックが欲しい人は素直にゴルフGTIなどを買うでしょう。ちょっと個性的で実用的なハッチバックが欲しい人は、普通のアクセラ買うでしょう。本気モードでサーキットなどを目指す人はランエボなどを買うでしょう。車に派手さを求める人も外国車に行くでしょう。普通のアクセラとあまり見た目が変わらず、ちょっと地味なマツダスピードアクセラを敢えて買う人とは?
おそらく、この「じゃじゃ馬」で、言ってしまえばちょっと「ほころび」のある味付けを、飼い慣らしたい!でもそんなに高い車は買えない!と思いつつも、大人4人ちゃんと乗りたい!イバれなくてもいい!と思っている人なんだろうと思います。家族から、あえてマツダスピード版のアクセラが欲しい!なんていう声が上がるとも思えないし、アクセラですからそれほど周りにイバれません。そう、冒険心はあるけれどちゃんと後先を考える、実直タイプな人がこの車を選択するのでしないでしょうか?




アクセラのコックピット
アクセラのコックピット




いい意味でバランスが偏っているような車種というのは、車好きにはたまらん車種となります。特にそれが不人気車だと中古相場でお手頃なので、まさにたまらん中古車となります。このマツダスピードアクセラは、アクセラのデビュー後数年してデビューし、短命のまま2世代目のアクセラに移ってしまったこともあり、それなりの性能と実用性があるにも関わらず知名度もタマ数も低いまま消えていったという激シブ車種だけに、中古車ではかなり面白い部類の車種になるのではないでしょうか?




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※当ページ内の内容は2011年2月4日現在の情報です。




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