手番ですよ。
第24回「ボードゲームショップの店長の一日」



私のやっているボードゲームショップ「テンデイズゲームズ」が、この8月でめでたくオープン一周年!
多くの方にご利用いただき、無事、一周年を迎えることができました。この場を借りてお礼を申し上げたく思います。本当にありがとうございます。




この看板が目印です!
この看板が目印です!




さて、今回の「手番ですよ。」ですが、一周年を迎えた私のお店の紹介も兼ねて、「ボードゲームショップの店長の一日」をお送りしたいと思います。
「ボードゲーム」の専門店の仕事というのは、ほかの専門店と違うのか?
どんな風にボードゲームショップの一日は回っているのか?
そんな興味がある人もない人も、ご一読いただけたらと思います。
では、いってみましょう!



朝(出勤〜):9時〜
毎日の出勤は大体9時くらい。
お店の開店が12時からということを考えると少し早め。午前中にやれることをやっておくと一日がだいぶ楽になるのです。
主な業務としては、通販でご注文いただいた商品の出荷準備と、海外から送られてきたメールに対しての返信というところ。
うちのようなボードゲームショップで扱っている商品の多くは、ヨーロッパを中心とした海外からの輸入品。
ここ数年で、代理店さんから入ってくる商品や日本語版が増えましたが、私のお店は、独自に海外のメーカーや問屋とやり取りをして仕入れている商品も多く、メールでのやり取りは重要な業務の一つなのです。
で、時差の関係で海外からのメールは、日本時間で深夜に送られてくることが多いため、それらのメールのチェックや返信は、午前中にまとめてやることになるのです。
そのほか、閉店後から朝の間にいただいた通販のご注文を処理したり、やれることを随時進めていきます。




午前中:10時30分〜11時30分
ほかのお店だと、そろそろ開いているお店が多くなってくるこの時間。
その他のお店の開店にあわせて、私は必要となったお店の備品や消耗品などをこのくらいの時間に買いに行くのです。
特に買うものもなく、出かける必要もなければ、次なる取り扱い品を見つけるべく、ネットで情報収拾。
多くのゲームファンがそうであるように、世界最大のボードゲームデータベースサイト「BoardGameGeek」を中心に、海外のショップやメーカーサイトをめぐっての、品定め。
しかし、ゲームというのは遊んでこそというもののわけで、いろいろな情報を集めたところで、じゃ、どれを取り扱うのか?の判断は、勘によるところも大きく・・・。長くボードゲームに触れているので、それなりに見極める目はあるのかなー、とも思ってはいますが、とはいえ、簡単に決められるものでもないので、この時間帯は、大体情報を収集して、ある程度候補として頭に入れておくぐらいのことが多くなります。
実際に「決定!」とするのは、少し時間をおいて冷静に考えてから、というわけです。




午前中:11時30分〜開店まで
開店前の30分、開店の準備です。
ここではボードゲームショップならではということはなく、多くの店の開店前がそうであるように、テンデイズゲームズでも開店に向けてのちょっとした店内整理やレジ金の用意など、ごくごくあたり前のことを行います。
あとは、少し早めの昼食を取ってしまうことくらい。
さあ、いよいよ開店です!




午後:12時〜14時
テンデイズゲームズは12時開店。ここからはお客様の対応を第一に、いろいろなことを平行して行っていきます。
で、開店からの二時間、この時間帯に各運送業者さんが荷物を持ってくることが多いため、届いた荷物の確認や整理、補充を行います。
しかし、単純に並べればオーケーという商品だけではないのが、ボードゲームショップの大変なところ。
というのも、輸入品であるということは、中に封入されているマニュアルは、ドイツ語や英語。
もちろん、そのままでは遊べません。
代理店さん経由の商品は代理店さんがすでに添付してくれているのでいいのですが、独自商品は別に用意しないといけないわけです。
というわけで、日本語に訳したマニュアルを、ストックされているものであればストックから出して、ストックになければプリントアウトして、それをビニール袋に封入、その上で、各ゲームの箱へと添付していきます。
ゲームは遊べてこそなので、和訳マニュアルの添付というのは非常に大事な仕事となるのです。




午後:14時〜16時
この時間では、通販にご注文いただいた商品の出荷準備を本格的に行います。
配送業者さんの集荷が16時前後となっているため、結構、慌ただしく準備を進めます。
実は、ボードゲームショップは「ダンボールとの戦い」であったりもします。
ボードゲームはいわゆる「箱物」と呼ばれるもののため、内容量、重さはそれほどでなくとも、もの一個一個がある程度の大きさ。加えて、海外の商品ならではのインパクトを重視するあまりの極端に大きなパッケージであることも少なくありません。
当然、それらを収めるためにはそれなりの大きさを持ったダンボールが必要になるわけで・・・。
通販の発送用にストックされたダンボールが、実はバックヤードをかなり圧迫しているのです。
そのストックからダンボールを出してきては、組み上げて、商品を詰め、伝票を印刷し、荷物を作っていきます。




こんな風にマニュアルを添付していきます。
こんな風にマニュアルを添付していきます。




そして、店頭に並ぶのです。
そして、店頭に並ぶのです。




夕方:16時〜18時
商品の出荷も終えて、一段落。
ここから、デスクワークの比重が増すことになります。
まず、重要となるのはショップサイトの更新。
新商品があれば登録し、再入荷品があれば数の確認と変更を行います。加えて、入荷案内のメールの発行もあわせて行います。
日本にボードゲームショップはそれほど多くなく「各県にひとつずつ」という状況にも程遠いため、通販をご利用されるお客様の割合はかなり多くなります。
そのため、ショップサイトの更新は、お店としてももっとも重要な業務のひとつになっているのです。
また、各種発注等も行います。
国内の代理店さんや、メーカー、問屋さんなどに発注をかけるときは、どの商品をどれくらい発注書ければいいのか、売れ行きや、ゲームファン、ネット上の評判などから判断すればいいのですが、海外の問屋さんやメーカーに発注をかける場合には、ある程度多くの量を発注かけなければならないため、その判断は重要かつ、シビアなものが求められます。海外から商品を輸入する場合に各商品の単価以上に、コストとしてかかってくる「輸送費」が考えなければならないこととして常についてまわるからです。
輸送費をコストダウンさせるためには、無駄なく商品を送ってもらう必要があり、少量の発注ではただただコストがかさむだけになってしまうこともあるのです。
どの商品をどれだけ発注かけるのか?輸送費を少しでも削る戦いを日々繰り返しているのです。・・・って、これは少し大げさですが。(笑)




夕方:18時〜閉店
発注など、細かいことをひと通り終わらせたら、新規取り扱い商品のマニュアルの和訳に取りかかります。
今でこそ、和訳のお手伝いをしてくださる方が増え、より多くの作品をお届けできるようになったテンデイズゲームズですが、私自身が和訳を行う作品も多く、日々の業務の合間をぬってそれらをこなさなければなりません。
「和訳」と一口にいっても、ボードゲームの和訳は少し特殊なものとなります。
「遊べること」が和訳にとってもっとも重要なこととなるため、英語やドイツ語に忠実に訳してしまうと日本語としてはわかりにくいものになってしまうようなことも多く、その結果、遊ぶための敷居が高くなってしまうこともあるのです。
そういった箇所を適宜差し替えたり、補ったり、間引いたり・・・「わかりやすい和訳とは?」を常に考えながらのマニュアル作成の日々が続きます。




夜:閉店後
無事一日が終わり、閉店です。
レジ金を数え、業務日報に記入を行い、ネットショップの在庫確認などを行い、一日の仕事が終りとなります。
日によっては、閉店後、新作のテストプレイ会を行い、実際にお客様に接客するにあたっての内容のチェックや、サンプル品として取り寄せた商品を遊びながら取り扱いについての検討を行ったりも。
そうして、ボードゲームショップの一日が終わるのです。今日も、お疲れ様でした!




こうしてボードゲームショップの毎日が続くのです。
簡単にご紹介させていただきました、ボードゲームショップの一日、いかがでしたでしょうか?
より多くの面白いボードゲームを紹介したい!
そんな気持ちで日々、取り組ませていただいております。

ボードゲーム、カードゲームをお探しの際には、ぜひ、三鷹のテンデイズゲームズをよろしくお願いいたします!

というわけで、今回はここまで!チューッス!




関連サイト
TendaysGames
BoardGameGeek | Gaming Unplugged Since 2000




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